MONSTER 漫画全巻(コミック) 高価買取

概要

作品内容

MONSTERは浦沢直樹によるサスペンス漫画です。
ビッグコミックオリジナルにて、1994年から2001年の7年間を掛けて連載。単行本数とは全18巻。
「20世紀少年」や「BILLY BAT」など、同じサスペンス漫画でも幅広い内容を描いている浦沢直樹が今作で描いているのは冤罪や様々な時代背景です。

殺人の濡衣を着せられてしまった主人公の西ドイツやチェコなどに渡る逃亡劇を、東西冷戦が起こっているベルリンの壁崩壊前の西ドイツを起点に描いていきます。

記録に残る実績

なお同作は1999年に第3回手塚治虫文化賞を受賞。2000年には第46回小学館漫画賞青年一般部門も受賞。
累計2000万部の大ヒット作となりました。

あらすじ

主人公は西ドイツのデュッセルドルフで医者として働くケンゾー・テンマ。舞台設定は1986年です。
彼は医者として優秀でさらにオープンな性格であるため、仲間や患者からも好かれており、さらに婚約相手がいたりなど有望な将来が約束されています。

ところがヨハンと言う少年を助けた所からその運命は一変。
頭を銃で撃たれたヨハンをオペで助けると、それに反感を持った院長から圧力をかけられ、さらに9年後、成長したヨハンはテンマが担当していた患者を殺します。

こう言った事からテンマは過去にヨハンを助けたのを後悔し、その決着を付けるための戦いが始まります。

登場人物紹介

○ケンゾー・テンマ
この物語の主人公です。

脳外科医として天才的なセンスを持ち、さらに仕事に真面目であるため多くの人から慕われていています。
また自身の働いている病院の医療方針に、疑問を抱いている一面も彼にはあります。

ある日院長の命令を無視して、ヨハン少年を助けた事から出世コースを外されるどごろか、院長の娘である彼女との結婚も破棄されます。

しかしその院長やライバルとなる他の医者達も次々と死亡。
それはヨハンによるものと成長したヨハン自身の口から聞かされ、自分のせいでMONSTERと言えるヨハンを生み出してしまったと後悔します。

○ヨハン・リーベルト
語学堪能の頭脳明晰。圧倒的存在感と優れた容姿も兼ね備えた男性です。
しかし昔から人を殺しており、それは幼い頃から戦闘マシーンとして育て上げられてきた所にも起因しています。
また人の心を操る術を学んでおり、その事に対して誇りを持っている部分も彼にはあります。

ある日強盗に襲われた事で重症を負いますが、それをテンマが救出。恩を持った事でテンマが憎く思っている院長達に手を掛けます。
○ニナ・フォルトナー
ヨハンの双子の妹です。ヨハンとは違って普通に生き、大学生として日常を過ごしています。
また学業も優秀で、他の人には答えられない問題もスラスラと答えてみせます。

しかしある事で殺人鬼としての兄を意識する事になり、またテンマと知り合ったのをきっかけに、彼の代わりに自分がヨハンを殺そうと考えています。

合気道も得意分野とし、容姿も含んで完璧なヒロインです。

○ハインリッヒ・ルンゲ
ドイツ連邦捜査局の警部です。自身の捜査能力に絶対的な自信を持っており、実際に警部になっている所はその自信に裏付けられる能力を立証しています。
ただし執着しすぎる側面があり、その事で自身の家族の関係を蔑ろにしたり、警察内での立場も失っています。

ヨハンによる一連の事件の犯人は、読者側からヨハンだと分かっても様々な情報からテンマだと判断し、それ基準で追うものの、真相を独自にあぶり出していきます。

その他の情報

浦沢直樹のサスペンス漫画の楽しみ方/

前述の通り浦沢直樹は数々のサスペンス漫画を描いていますが、謎解きを楽しむと言うより、伏線の盛り上がり方を楽しむのに相応しい作家と言えます。

なぜかと言うと、浦沢直樹の漫画は伏線の張り方がすごいのですが、その多くの謎が解明されずに話が終わっていることが多いと、読者間で言われているからです。

今回紹介しているMONSTERも、決して全ての謎が解決しているとは言い難かったりします。

なので浦沢直樹のサスペンス漫画を楽しみたい場合、解決されていない謎を自分自身で自由に解釈するのが好きな人に向いている事になります。
またその時の勢いを楽しんだり、「この謎は解明されないかも知れないから、ネタバレされてもいいから続きは自分の好きな時で読めばいいや」と言ったような気軽な気持ちで読めば、浦沢直樹のサスペンス漫画に深くハマれるはずです。

(なお伏線をちゃんと回収している作家もいると思うので、『浦沢直樹のサスペンス漫画』と言う表現にしています。)

他のドイツ社会を描いた漫画/

日本人から見たドイツ社会を描いた漫画になりますが、川上容が描いた「Gott sei Dank!」。白乃雪の「とつげきドイツぐらし!」などがあります。
これらは無料マンガとして読むことが可能です。

MONSTERや他の日本人作家が教えるドイツについての作品は、興味深く読めると思います。

なおドイツでの漫画の扱われ方については、このページで詳しく載っています。
-ドイツコミック最前線を知る!/『ベイビーズ・イン・ブラック』翻訳者・岩本順子さんインタビュー〔後編〕|BDfile : http://books.shopro.co.jp/bdfile/2012/08/post-16.html

浦沢直樹の「MONSTER」は様々な国の言葉で翻訳出版されているようですが、ドイツにおいても好意的に読まれているのではないのでしょうか?